場末の。

ワタモテの感想記事がメインです。たまに他の話題を取り扱った記事も投稿します。※現在更新をお休みしております。

ワタモテレビュー喪132「モテないし先輩後輩の関係」

4月5日(木)に、待望の私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!の喪132「モテないし先輩後輩の関係」が公開されました!

 

 

www.ganganonline.com

 

 

今回は更新が遅れてしまい、大変申し訳ございませんでした。
今月は仕事が忙しく、平日に全く執筆時間が取れず、土曜も出勤……と泣きそうになる日程でした。
ですがおまたせした分、今回は文量が多いです!なにせ今回ページ数も多く……密度も濃かったですからね!
……さて、閑話休題です。

 

 

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新刊情報が来ましたっ!!
祝!第13巻2018年7月21日発売決定!!

 

 

 

""あの""遠足編が一冊に完全収録!!!
田村さんの揺れる心の行方は!?うっちーの恋も揺れに揺れて!?ネモと岡田さんの関係は!?って吉田さんも仲違い!?板挟みの真子の胃は!?ついでに宮崎さんの胃も!?なんと加藤さんも黒木レースに参戦!?って南さんが泣いちゃった!?こみさんと二木さんの銃口の向く先は!?伊藤さんにも予期せぬ絡みが!?初芝くんの見つめる先には!?そしてもこっちがその中心で何を思う!?(早口)
その全てが詰め込まれたファン待望の最新刊13巻、これは買わない手はございませんよ皆さん!

 


……はしゃぎすぎました。
12巻から間を置かずに発売という運びになりましたね。11巻から12巻までの刊行期間にだいぶん間があった事を考えるとかなり驚きです。
その分ストックが溜まっていたから、というのは勿論あるでしょうが勢いを感じざるを得ませんよね。12巻も重版がかかっていたようですから。
何にせよ、これほどの面白い作品が勢いづいているのは嬉しいことですよね。このビッグウェーブに我々も乗らない手はございません。これからもわたモテを沢山応援していきましょう!

 

 

 

 

さて、本題に戻りましょう。

今回のサブタイトルは、「モテないし先輩後輩の関係」
なんだか、喪124の「モテないし友達の関係」を想起させるタイトルですよね。
恐らくはそれも意図したものだとは思いますが、喪124は言わずもがな、久々に登場したゆうちゃんの親友のポジションに揺らぐ田村さん、そしてのほほんギャグを繰り広げるこみさんともこっちなど、印象に強く残る素晴らしいエピソードだった分、今回のエピソードも期待してしまいますよね。
そして実際今回のエピソードはその期待に応えるような、素晴らしいギャグ人間関係の描写に溢れていたのでした。
早速追ってみていきましょう!

 

 

 

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今回のプレビュー画像は──おや、まさかこの子は……?

 

 

 

 

 

 

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私の記憶が正しければ、喪122以来となる1ページまるまる使ったこの扉絵……味わい深いものでした。

『イベントが終わって、日常へ…でも関係は…』
このアオリが中々いい味を出していますよね。
イベントは終わっても、そのイベントで変わった関係は終わらないんですよね。
教室の窓枠という名のフレームで切り取った日常の一コマには、もこっちと遊園地を共にした多くの仲間達の姿が。通称穴熊囲い
板書をじっと見つめる田村さん。
一心不乱にペンを走らせる南さん。
板書を取る──中で、机の下でスマホをいじる加藤さん。
遊園地の疲れがまだ残っているのか、ウトウトと微睡むもこっち。
そしてそんなもこっちを見て、口元に小さな笑みを浮かべるネモ。


加藤さんのスマートフォンにはLINEのような吹き出しが見えるので、誰かとやり取りをしているのでしょうか?
キーボード部分に指が触れてない辺り、授業中に通知が来たのを確認しているといったところでしょうか。

南さんはノートに顔をぐいと近づけるほど真剣に板書を写している最中なのでしょうか……なんだか筆箱に凄い量のペンが入っているように見えます。
ひょっとしたら色々なカラーのペンでノートを彩るのが好きなのかもしれないですね。

ネモのもこっちを見る表情はとても優しげなものに見えます。
起きているもこっちにもう少しその表情を向けることができたら(素直になれたら)、いい方向に関係が変わってくると思うんですけどね……。

 

 

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場面は変わり、ネモと岡田さんと加藤さんの姿が。
……ああ……。
良いですね……なんて良い1コマなんでしょうか。
遠足に行く前はギスギスして、常に不機嫌な表情をしていた岡田さんに満面の笑みが戻りました。見ていて幸せになる光景です。
先程のアオリ文の「でも、関係は…。」の一つの例示が早速なされたと言っても良いでしょう。
岡田さんとネモの関係は「以前に戻った」というよりは「以前よりも縮まった」と言い切っても良いですからね。
何故なら今はネモの将来の夢を知っている状態ですし、それを応援する関係になりましたからね。
雨降って地固まる──「お嫁さん」ではぐらかされていた頃よりもずっと幸せと言って良いでしょう。
……少しばかり、屈折した感情が潜んでいるかもしれませんが。

 

 

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……が。その幸せそうな光景を横目に不安げな表情を浮かべる南さん。遠足編前までの立ち位置をネモと換わられてしまい「今日からお昼どうしよう……」と思い悩みます。
岡田さんに拒絶されてしまった今、加藤さんのフォローがあったとはいえかなり戻りづらい状況──普段昼ごはんを食べるグループのメンバーが休んだり、仲違いしたりすると、宇宙空間で切り離されてしまったロケットのパーツのようにフラフラと彷徨ってしまうんですよね。もこっちのような強靭なメンタル(例:「久々のぼっち飯だ 何しようか? くだらないサイトでも見るか」と思いながら微笑みを見せる)があるならまた話は変わってくるのでしょうが、この南さんの「どうしよう……」と思い悩む気持ちは共感できる部分があります。

続いて南さんは(まこっちと食べたいけど 邪魔なのが二人いるし……)と真子の傍にいるもこっちと田村さんに視線を遣ります。
遊園地で手を差し伸べてくれた真子だけが今の南さんの唯一の拠り所なのでしょうね。
一方で南さんがそんな状況とは露知らず、真子はもこっちに「黒木さんって漫画読むよね?」と一冊の漫画を差し出します。

 

 

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南さんが真子と一緒の時間を過ごす為には、もこっちと田村さんと仲良くならざるを得ない──。
(あいつらと仲良くなるしかないのかな…)というちょっと上から目線にも感じられるモノローグですが、ここで初めて南さんの中で「消極的な友情」とでも表現できる──人付き合いする上でとても生々しいものですが──二人に歩み寄ろうとする思考が生まれます。Bさんの事は別にどうでもいいけど、自分の好きなAさんといつも一緒に居るからBさんとも仲良くしておかないと気まずいから仲良くしておこう……というやつです。
ただ、この思考は「自分がBさん(もこっち、田村さん)から仲良く接してもらえる」という前提が抜け落ちているんですよね。
南さんは作中で描写されたエピソードに限っても、転んだもこっちに「ウケる」と言い放ったり、田村さんに焼肉での露骨なあてつけなどやらかしてますから、二人から仲良くしてもらえるどころか二人からの印象を悪くするような行動をしてきている訳で、そもそも選択権は存在しないと思うのですがそれなのに嫌そうな表情をしているのがちょっと面白いです。

一方真子から少女漫画を受け取ったもこっち、開口一番に「少女漫画にいる主人公にイジワルをしてくるライバルの女」の話題を振ります。
……ん?この話題はまさか……。

 

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……このイメージ図の主人公、どの角度から見ても美化されたあの人なんですが……いえ、言うのも野暮でしょうね。美化なんてしなくても可愛いですよもこっちは。

そしてそんなイジワルをしてきたライバルのことを主人公がなんやかんやで許し(同じ人を好きになったとかなんとかで)、親友の関係になるという展開──
「そういうのが大嫌いで少女漫画を読まなくなった」とスッパリ断言するもこっち。
……少女漫画ではお約束の展開ですが、現実ではそう起こりえませんよね。(思えば「花のち晴れ」の愛莉(私の好きなキャラ)も、今では主人公(音)の数少ない親友ですが、初期は嫉妬から「庶民狩り」で執拗に主人公を追い込んだりしていましたね)


なぜなら、イジワルや悪口というのは被害者の心に深い傷跡を残すので、そうそう許せるハズがないんですよね。
だからこそ「それを許す主人公が嫌」なのですし、「イジめてたくせに急に友達面してくるライバル女もムカつく」のです。
イジワルや悪口の重さ……実際のイジメられる痛みを知っていればいるほど、その主人公の「ありえない(許してしまう)ほどの能天気と言ってもいいような優しさ」が非現実的に感じて感情移入できなくなり、「友達面してくるライバル」がいやしく、浅ましく感じるのでしょう。

 

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これには滅多に同意しない田村さんも同意してしまいます(なんだか汎用性の高そうなコマですね)。

 

 

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そしてまさにその「悪口とか言ってくる」人である南さん、二人が絶対に許してくれるはずがないという事を会話内容から理解してしまいます。凄いタイミングでピンポイントの話題が繰り広げられた事は、南さんにとっては良いことだった……のかもしれません。このまま進んでいたら玉砕不可避ですからね。
……二人と仲良くするのは無理だと悟ってしまった南さんは、居心地は悪いとはいえサチのところへ向かうようです。仲良くしてくれる真子にも近づけず、苦しい状況が続く南さん……果たしてこの先の交友関係はどうなってしまうのでしょうか。

そしてもこっちの「少年漫画で自分を殺そうとした奴が仲間になるのは気にならない」というのもすごいわかります(よく同意する私も同意)。
それは学校生活でのイジメとは違って、殺し合いの世界は我々の住む世界とは乖離しすぎているから実感が湧きにくいというのもあるでしょうし、仲間になるような敵キャラには大体やむを得ず戦わなければならない理由が用意されてたりしますからでしょうか。例えば戦争で憎むのは銃を向けてくる兵士か、それとも国か……と、ちょっと話が逸れそうなのでここまでにしておきましょう。

 

 

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さて、場面は変わって食後……授業まではまだ結構時間があるようです。
もこっちを探しに来たネモでしたが、生憎もこっちは何処かに行っているようです。
……喪82において、弁当を食べきってしまい手持ち無沙汰になったときに「日課の散歩がある」と言ってその場から逃げ出すようにフラフラ中庭まで歩いていましたが、まだ続けていたんですね。
多分今ならあの頃と違って弁当箱が先に空になっても気まずさなんか感じずにいられるのでしょうが、一度言い出したことって否定・撤回しづらいですよね。とてもよく分かりますよ、もこっち……。

そしてさりげなく田村さんが持っているのは……もしかしてコーヒー牛乳でしょうか?(字が小さいので読みにくいですが)
以前の昼食の描写では飲み物は水筒だけしか持っていなかったような気がするので(喪84「コミュニケーション力」より)、まさかもこっちから貰った三牛士キーホルダーが「コーヒー牛乳」バージョンだったから飲み始めたんですか……!?

いや……いやいやいや。いや……いやいやいやまさかまさかまさかそんなそんなそんなマジですか田村さん?マジなんですかァァァ!!!!!
そんな……そんな事が本当だとしたらッ!!!あまりにも飲み始めた理由が可愛すぎやしませんかああァァァ!!!!!!11111!!

 


……失礼しました。私はあれです、ゆりもこキテますと冷静に言いたかっただけなんです。申し訳ありません。
わたモテはこういうのさりげなく入れてくるので、気づいたときに発狂してしまうのをどうにかしたいですね。こう、バーン!と表現されているのも良いんですが、さりげなく入れられてる要素に悶絶させられがちです、私。

 

気を取り直して……中庭で真子から借りた少女漫画を読むもこっち。
内容は「地味系女という設定の主人公がイケメンに好かれる」というテンプレ展開。
(こういう漫画のせいで私にみたいな本当の地味女が高校生活に変な憧れを持つんだよ)というモノローグは責任転嫁のようにも感じられますが、第一話の頃のもこっちを思い出すとこのモノローグには説得力がありすぎます。

 

 

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↑実際に高校生活に変な憧れを持ってしまっている様子


というか、そりゃあアレですよね。完全無欠の超絶美人が主人公でイケメンにモテるって内容だったら感情移入できない読者が大半でしょうし、そもそも完全無欠の超絶美人に感情移入できる人はそういう漫画を読まなくても現実世界でイケメンとエンジョイできるでしょうからね……。

 

 

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……もこっちはブスではなく可愛いことを大前提として一言だけ言わせてもらいますが、沢山の個性豊かな美少女に囲まれてるもこっちがこのモノローグを言っているのが非常に面白いです。

 

 

するとこれまたタイミング良く、もこっちの眼の前を男二人連れで歩く1年の女子生徒が目に入ります。
まるで少女漫画の主人公のように目をキラキラと輝かせる、一目で美少女と分かる風貌の女子生徒を見て(結局顔がいい女しか少女漫画みたいな学校生活はできないんだ…)と改めて自分の認識が正しいことを確認するもこっち。
──が、その女子生徒はもこっちの顔を見ると「あっ」と足を止め「先輩お久しぶりです!」と声をかけます。
困惑するもこっちでしたが、その女子生徒は入試の時に助けてあげた子だったのでした。その風貌(主に髪型)は、どこか今江先輩に似ていますね。

 

 

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かつてもこっちに「クズ」認定を受けた後輩ちゃんこと平沢さん、満を持して再登場ですね。
単行本派の方々はあまりお久しぶりじゃないかもしれません(当該入試エピソードは12巻収録)が、web派にとっては実は約一年ぶりの登場なんですよね。以前よりもずいぶん目がキラキラと輝くようになりましたね。
そして平沢さん、もこっちに「あの男子達はいいの?」と心配されますが、「一緒にお昼ごはん食べてもらってただけですから」と言って、特に何もフォローを入れることもなくこの後男子達が居なくなります。……相当男子たちにモテていないとこのぞんざいな扱いは中々できるものじゃありませんよね。

その上「友達」ではなく「お昼ご飯一緒に食べてもらう仲」という独特な表現──なにか一線を引いたようなそれに引っかかりを覚えるもこっちに対し、平沢さんは人には言いにくいことを打ち明けたいようです。

 

 

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ああー……。
なるほど。同性と仲良くなれず、男の子とばかり仲良くなってしまう女の子……ごく少数ですが確かに居ますよね。
それにも色々パターンはあるとは思いますが、共通点は大体「美人である」こと。平沢さんはどうやらその美貌を放っておけない男子の方から勝手に寄ってくるのか「一緒に居てもらっている」ようで(この表現がまた絶妙)、そのせいで更に嫉妬した周りの女子からは遠ざけられるという負のスパイラルに陥っているようです。
平沢さんは多分無意識に、男の子に「この子は俺が守る!(ドン!!)」と思わせる雰囲気を持っているタイプでしょうね。

 

 

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そして平沢さんがイジメられるのも納得な様子のもこっち。
多分平沢さんは「事実を言っているだけ」であって、全く自慢に感じていないであろうことがまた罪深いところですね。
そして(私はどちらかというと主人公側じゃなかったから少女漫画ハマらなかったのか……)と、異性からモテにモテまくる平沢さんを見て思うもこっち。
が……もこっちは同性にモテにモテまくっています。
「同性から好かれたい」平沢さんと、「異性から好かれたい」もこっち(自己紹介のシーンを除いて最近は滅多に言ってないですが)
対照的な二人が1つのベンチに座っている光景、なんだかとても壮大です。

 

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すると、平沢さんはもこっちがよくベンチに一人で居ると思ったのか「よかったら今度一緒にお昼食べませんか?」とものっそい美少女顔でお誘いを掛けます。
その提案を聞いたもこっちの思考回路があまりにも自虐的すぎるのが面白いです。平沢さんはそこまで考えてないと思いますが、もこっちらしくて微笑ましいですよね。

そして(今の私には一緒にめし食う奴いるし)という何気ないけれども感慨深いモノローグを言いながら、助けるメリットのない平沢さんを、自分がもし少女漫画の主人公なら助けるのかどうか──いやそもそも少女漫画の主人公は助けられる側だから平沢さんが主人公なのか、と色々考えを巡らせるもこっち。
この漫画は少女漫画ではなくギャグ漫画であり青春群像劇であり、メタ視点から見ると主人公は間違いなくもこっちなんですよね。果たして少女漫画じゃないけれども主人公のもこっちの決断やいかに。

 

 

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そんな時、もこっちに声を掛ける人物の姿が……?

 

 

 

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声の主は吉田さんでした。遠足では可愛くはっちゃけた表情を沢山見せてくれた吉田さんでしたが、日常に戻った今、儚げでありながらどこか研ぎ澄ました刃のように鋭い印象の流し目で、じっともこっちを見つめるその相貌はまさに麗人。圧倒的美人な一コマです。

そして一目でブランドモノと分かる紙袋の中にはもこっちがひとくち食べて「うま!?」と驚愕するほどのプリンが入っていました。
どうやら吉田さん、もこっちから貰った三牛士のキーホルダーの礼に買ってきたようです。(もこっち、吉田さんにも渡していたんですね。これでアベンジャーズで貰った描写が無いのが真子だけになりましたが果たして。)
吉田さんは外見で誤解されがちですが、相変わらず義理堅くて優しい子ですよね。

そして吉田さんの鋭いのは視線だけでなく、相変わらず知らない人に見られているとすぐに噛み付いてしまう(参考画像)のも健在なようで、じっと見ていた平沢さんに「何見てんだよ? 何か文句あんのか?」と睨みつけます。

それに対して(プリン頭がぼっち先輩にプリンあげてたら物珍しげに見るだろ)と、美味しいプリンを貰っておきながら脳内でプリン頭呼ばわりするという、黒木姉弟特有のヤンキーに対する当たりの強さを披露しつつ、「一年生だから色々慣れてないんだよ」と平沢さんにフォローを入れます。
するとそのフォローを受けた吉田さん、「別にいいけどよ」ともこっちのそれを素直に受け入れます。

 

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……あれ?よしもこもキテる……???
何やら吉田さんのもこっちへの接し方が──まあ元々もこっちがやらかさなければ優しい対応を見せていましたが、更に柔らかくなったような印象を受けます。
しかも、プリンを持って出歩いていたということはもこっちが食後このベンチに来るという事を知っていたのでしょう。やっぱりキテる……!?
そういえば、喪84でもこっちが食後に中庭をウロウロしていた時にベンチで眠る吉田さんを見かけていたので、ひょっとしたら何回か会話するイベントがあったのかもしれませんね。

それから「だり……」と肩の力を抜きながら遠くを見つめる吉田さん。
一連のやり取りを見た平沢さん、吉田さんの素直な内面を垣間見たせいか吉田さんが悪い人ではない事を悟ります。

 

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そんな三人並んで座るベンチに向かって歩いてくるのは田村さんでした。
どうやらもこっちにネモが探している事を伝えにわざわざ教室から来たようです。
吉田さんと同じくもこっちが食後このベンチによく来ることを知っていたのでしょう──

……って、あれ?
「知ってるならネモに直接言えば良かったんじゃあ?」という疑問が当然湧き上がりますが、それに対する回答がこの後示されます。

 

吉田さんに続いての田村さんの登場に、平沢さんはもこっちに友達が多いという事を悟り始めます。
もこっちの現在の取り巻く環境を客観的に誰かが評するのは喪124の智貴以来ですね。作中人物から見てももこっちの取り巻く環境が面白い! というのが示されるので、私はこういう回が大好きなんですよね。

 

すると田村さん、吉田さんともこっちの間に割って座る見知らぬ子が気になるのか、平沢さんにちらりと視線を向けます。
視線を向けられた事に気づいた平沢さん、自分から名乗らなければ失礼だと思ったのか、「わ 私 平沢雫です 黒木先輩の後輩というか知り合いというか」と少し慌てながらも丁寧に自己紹介をするのですが……。

 

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無視!!?

 

これには結構な割合の読者もビックリしたのではないでしょうか。
「田村さんってそこまでコミュ障をこじらせていたっけ……!?」と私もビックリしたのですが、その答えが次のコマにて示されています。

 

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(この無視の仕方 中学生の時 男子と仲良くしてたら急に冷たくしてきた友達と同じだ)(でも今は男子と話してないのにどうして……)

 

この平沢さんのモノローグから分かることは、田村さんの無視の仕方は「自分の好きな男子を奪う女子に対する嫉妬」と同じ性質を持っているということです。
………………………………………………。
いや……ここまで超ど直球に示されたのは……初めてではないでしょうか?

少なくとも、田村さんが「自分の好きな吉田さんと黒木さんの間に割って入っている平沢さんに対して嫉妬している」のは間違いないと思います。
気になるのはこれが友情としての好きなのか、それとも愛なのかという事なんですが、恐らくは前者だとは私は思っています。明確に愛の方向での好きと表明したのは今の所うっちーだけですからね。
しかし「(ストレートの)女子が男子に向ける感情」との類似がやたら強調されているのが引っかかるんですよね。そういう風にも読み取れてしまいます。私は一向に構わんッッ
……ですが、たとえ田村さんのこの嫉妬が友情に属するものだとしても、それは愛に匹敵するほど大きくて激しくて重たい友情なのは間違いなさそうです。そりゃあ四人に拘るのも納得ですよね……。

そんな中、「あー いたー!」と片腕を振りながらネモが現れます。

 

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ここで、先程「場所を知っているのに教えなかった」理由が「私に聞いてるって思わなかったから」というのが示されます。
……なるほど。どうやら直接「田村さん知ってる?」と聞かなかったのが敗因のようですね。
が、「そこは気を利かせろよ」と内心思っているのか、半笑いのまま「……」と固まるネモ。こうやって半笑いのまま固まるネモ、結構多いですよね。もこっちグループの面々には翻弄されっぱなしです。

 

この「田村さんが平沢さんに嫉妬している」流れからすると、平沢さんと同じくもこっちや吉田さんと仲良くなりつつあるネモに嫉妬しているのは間違いなさそうです。
では「教えなかったのはネモに嫉妬しているから」という推論も当然出てくる訳ですが……でも「ネモが捜している」ことはわざわざ中庭まで来て伝えているわけです。
……。難しいですね。知人としての義理は果たしつつ、ネモがもこっちと独占して会う事は防いだ……のでしょうか。とはいえ、ネモに対してあの場面で田村さんが「黒木さんなら中庭に居るけど……」とライバル?であるところのネモに助け舟を出すのもちょっとイメージし辛く(初期田村さんならやってあげそう)、けれども優しい子なので、回りくどいともいえる行動は個人的には腑に落ちました。

 

と、ここで平沢さんの存在に気づき、柔らかい感じの口調で話しかけるネモ。「私黒木先輩の後輩で──」という平沢さんの台詞の後で「よろしくね 雫ちゃん」とネモが平沢さんの名前を呼ぶシーンがありますが、ネモが平沢さんの自己紹介を影で聞いていたとかそういう訳ではなく、この「──」は作品における省略の技法でしょうね。(読者には平沢さんの自己紹介の下りを何度も見ているため)
リア充対人モード全開のネモの振る舞いを見て(明るくていい人そう 黒木先輩こんな人も友達なんだ……意外……)という印象を抱く平沢さん。
ちょっともこっちに対し失礼なモノローグかもしれませんが、確かにもこっちは陰のオーラを放っているでしょうし、これまでの二人とはまた別のタイプの人が来たわけですからね。どれだけ黒木先輩の友達はバリエーション豊かなんだ、と驚かざるを得ないですよね。
「クロに後輩かー 出会いとか気になるなー」とニコニコと笑顔を張り付けながら探りを入れるネモ。
それに対して「入学試験で助けてもらった」と伝える平沢さん。
にゅ……入学、試験……

 

 

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何気ない「入試」という言葉が
根元陽菜を
きずつけた

 

 

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先程までのオブラートに包まれた語尾を伸ばすような柔らかい口調は何処へやら、余裕を失った早口へと変貌してしまいます。
喪122において、ネモにとって入試で交わした「うぇーい」がいかに大切なものであったかを強く伺わせる出来事がありましたが、今回また改めてそれが示される形となりましたね。なにせ12巻のゲーマーズ特典に選ばれるぐらいですから……。

この「別にいいけど」別に良くないときに出てくる言葉の典型例みたいなものですよね。大丈夫じゃないときに「大丈夫だよ」と返してしまうような。
表情は平静を保っていますが、内心揺れているのが分かりやすいところがあって可愛いですね。
というか入試で色んな人にコナかけてんじゃねーよみたいな言い草なのがとてもおもしろいです。
一方、ピンと来ていないもこっちは「なんのことだ?」と困惑しています。まだまだあの黒髪の少女の正体を思い出すのには遠いようです。

 

そしてその「別にいいけど」に続けて「まぁいいや」「本当は良くねえよコンボ」を続けつつ、もこっちに対し明日一緒に学食に行かないかと誘いをかけます。
一方、唐突にネモが他人にはわけのわからないところで不機嫌になってしまったせいで、平沢さんが(私が嫌われるのは男子が原因じゃなくて、私自身に問題があるのかな)とダメージを負ってしまいます。
この入試の件については平沢さんは全く悪くないのですが、他の女子に顰蹙を買ってしまうような振る舞いをしている所はあるでしょうし、思わぬ方向で自省する形となりました。

……さて、先程平沢さんから「今度一緒にお昼食べませんか?」と誘われたもこっちでしたが、先にネモの誘いに「あーまあいいけど」と乗ります。
ネモと昼食……ということは、清田くんたちを含むリア充グループと食べる可能性に発展することも十分あり得るわけですが、にもかかわらず承諾するもこっち……強くなりましたね!?(その可能性を忘れていた、というパターンもあるかもしれませんが)

 

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ここで田村さんからも「本当は良くない」典型例である「別にいいけど」が飛び出します。
しかも明日だけ付き合う可能性の方が高いでしょうに、自分から最悪のケースを先に提示し、それに対する回答を要求しています。
もしこの場でこの質問をしなかった場合、田村さんは「ひょっとして明日から一緒に食べてくれなくなるんじゃないか」という不安に一日中苛まれることになるからです。どれだけそれを恐れているかが分かりますね。

そしてさりげないネモの「まこちゃん」呼びも飛び出しつつ、ネモの提案には「いい」とズバッと両断するのが面白すぎますね。

 

……一方、誘いをかけた平沢さんはショックを受けてしまいます。
もこっちは平沢さんの誘いに首を振ったわけでもなく、入試の日に偶然助けてくれただけの只の先輩後輩の関係……。
平沢さんの誘いに乗らなくても、一緒に食べる相手には不自由していないその様子を見て、平沢さんはもこっちが自分と一緒に食べる義理もないことを悟りがっくりと肩を落とし、廊下をぽつんと一人で歩きます。

 

……が。そんな平沢さんの寂しげな背中に声を掛けたのは……。

 

 

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光のオーラを放つ、我らがもこっちでした。

 

その言葉に平沢さんは「えっ…ででも さっき他の方と食べるって…」と噛むほど動揺してしまいますが、我らがもこっちの対応は……

 

 

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誰?

 

 

 

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まるで宝石箱を開けたかのようにキラキラと世界がまばゆく輝き始めます。
そう、これは少女漫画の主人公であるところの平沢さんから見た世界なのです。
上の聖光気を纏っているかのようなもこっち平沢ビジョンによるものだったようですね。
もこっちのこの発言で朱里ちゃんが後輩ではなくちん子枠に入れられていたことがさりげなく発覚してしまいますが、今は置いておきましょう。

 

……もこっち、ずいぶんと先輩らしい姿になりましたね。
私は忘れることはできません。今江先輩の卒業式のあのもこっちのケツイを……。

 

 

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「来年は与える側になれるとは思えんが 今卒業できる資格はどう考えてもない」

 

……早速、もこっちは与える側になるための第一歩を踏み出したのではないでしょうか。
今江先輩から与えられてばかりだったもこっちが、今江先輩にどこか面影の似た少女に大切な気持ちを与える……
「運命」とも形容してもいいそれは、とても美しい輪廻のように感じられます。
きっとこの光景を今江先輩が見たら、嬉しくてたまらくて破顔することでしょう。私も今、嬉しい気持ちでいっぱいで──

 

 

 

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ッスよねー……っすよねェェェェ~~~~ッ………

 

いや、安心しました。これでこそもこっちですよ。
きっともこっちも「お前他の学校に行った彼氏はどうした? 何他の男引き連れてんだ?」とか気になってると思うんですよ。
今江先輩は純真な気持ちでもこっちに接していたと私は100%信じていますが、平沢さんはまさかもこっちがこんな事を考えているとは思わないだろうなぁ……。

というより、もこっち……。確かに面白い話は聞けるかもしれませんが、結構面倒くさい話に発展する可能性もあるので気をつけてほしいですよね。
その、平沢さんが少女漫画世界の住人であるならばトンデモな人間関係に巻き込まれたりとかしそうですし……というかこの手のたぐいの話って生々しすぎて身近な人間の話題になってしまうと笑えなくなったりとか色々ありそうですし……。

……。
あれ?


よくよく考えたらもこっちも面倒くさい人間関係に巻き込まれまくってるからセーフですね。

 

 

そして予鈴が鳴り響きます。風に吹かれる木の葉も暖かな光に照らされる中、パタパタと足音を鳴らしながら笑顔で平沢さんは廊下を小走りで駆けます。
良かったですね、平沢さん。先程までの暗い表情、寂しい背中は何処へやら……
内面はアレとはいえ、もこっちのおかげで元気いっぱいですね(*^^*)。

 

 

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↑不幸にも黒塗りの女性に衝突してしまう。

 

 

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!?

 


ど……何処から現れたんだうっちー!!
前回「会えなくても繋がっている」と満たされていたハズのうっちーは何処に行ってしまったんだー!!
まるで少女漫画のイヤミなライバルキャラの如く、愛する者に手を伸ばそうとする平沢さんに先制攻撃を仕掛けはじめましたがこれは一体!?

……どこから平沢さんの動向を伺っていたのでしょうか?
確認VTRを見てみましょう。

 

 

 

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おい!

 

完全に忍の里に戻ってるじゃないですかー!!
……やはり前回、青空の向こうに消えていったキモいあいつの影を追い求めに行ったということなのでしょうか。正直読者……私としては、うっちーがまたこの忍者家業を続けてくれたことは突っ込み甲斐があって嬉しいですし、今回の話はこのオチがかなり持っていったところがあると思いますが、うっちーの恋が報われる日はまだまだ遠いということなのでしょうか。

 

……それにしても今回の話は様々な要素が詰め込まれていましたね。
まず、この話の出だしから「少女漫画」という今回のテーマを提示し、少女漫画での「お約束」をもこっちに否定させつつも、少女漫画のお約束の流れを組み込む構成が見事でした。
最初にその「少女漫画」を出してきたことにより、読み手である読者も「ああ、これは少女漫画をパロってるんだな」と分かりやすくなりますから。本当に導入がうまい。しかもその導入も突拍子もないものではなく、昼ごはんを食べる相手が居なくて困っている南さんから繋がっていますから、無駄なページが一枚もありません。
オチを担当してくれたうっちーはまさに少女漫画に出てくるライバルキャラのテンプレ台詞を言ってくれましたし、同級生の女の子に敵の多い平沢さんはまさに少女漫画の主人公であり、そして数少ない理解者(もこっち……厳密には理解者ではありませんが)が一人だけ居るという構成もよく見かけます。その他にも主人公(平沢さん)が先輩をキラキラビジョンで見てしまうというのもありがちです。
また、キャラクターの掛け合いが今回も楽しくてしょうがありませんでした。ギャグ漫画、そして百合好きの読者にとっても非常に秀逸な回であり、これぞわたモテ!だと思わされましたね!

 

 

さて、次回お会いするのは三週間後でしょうか。
次は誰にスポットライトが当たるのか、楽しみで仕方ないですね!